フランスにおける味噌づくり、多様な原材料や低塩分が特徴

(フランス、日本)

パリ発

2023年03月10日

日本酒、醤油(しょうゆ)などの日本食材の多くが麹(こうじ)による「発酵食品」だ。フランスでは、この発酵というテーマが日本食の新たなトレンドになりつつある。その中でも、最近フランスで注目されているのが、日本人にとってはなくてはならない味噌(みそ)で、味噌をフランスで作り、販売を始めるフランス人も増えてきている。フランスにおける味噌作りの特徴について、パリ3区で味噌を製造し販売しているユゴー・シェーズ氏に2022年9月に行った取材結果も踏まえて報告する。

まず1つ目の特徴は、多様な原材料だ。日本では味噌といえば、大豆、麦、コメなどから作られる。他方、フランスで作られる味噌は、これらの一般的な原料のほか、ヒヨコ豆やレンズ豆、珍しい商品としてはパンを原料に使用するなど、多種多様だ。シェーズ氏は、原材料ごとに発酵期間を変え、材料の風味を生かした商品づくりを日夜、研究している。また、常に新しい材料を使った味噌を模索していると語る。

2つ目の特徴は、低塩分だ。フランス製の味噌は、日本の味噌に比べて塩分濃度を抑えた商品が多い。シェーズ氏によると、フランスではこれまで味噌を使った料理といえば味噌汁しかなかったが、最近では味噌をフレンチのソースに使用したり、そのままパンにパテのように塗って食べたりする消費者も増えているという。そのため、日本の味噌は通常12%程度の塩分濃度があるが、フランスでの利用法を考えると塩分が濃すぎ塩辛くなってしまうことから、塩分濃度を8%程度までに抑えているという。

3つ目の特徴は、自家製だ。当然のことながら、フランスの消費者は味噌を消費する場合には、アジア食材専門店で日本の味噌を購入することが多い。他方、フランスにおいて味噌の用途が広がるにつれて、自家製の味噌を作り始める人も増えてきている。最近では、一般消費者向けに自宅での味噌の作り方を教える教室や、自家製で味噌を作り料理として提供するミシュランの三ツ星レストランもある。

このように、味噌はフランスにおいて、現地の食文化や慣習にうまく溶け込みながら新しい食として地位を築き始めている。これと同時に日本の「発酵」や「麹」といった食文化の認知度も高まっている。ジェトロは今後も、日本食のキーワードとしての「発酵」のフランスでの広がりを注視していく。

写真 多様な材料からシェーズ氏が作った味噌(ジェトロ撮影)

多様な材料からシェーズ氏が作った味噌(ジェトロ撮影)

(西尾友宏)

(フランス、日本)

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