主要都市・県の2023年の最低賃金が大幅上昇

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年12月20日

インドネシアの2023年の最低賃金(UMK、県・市別最低賃金)が12月8日までに発表された。前年の0~4%台の上昇から打って変わり、多くの地域で6~7%台の大幅上昇となった。現地報道などから、主要な県・市の状況を取りまとめた結果、2023年の最低賃金が最も高い地域は西ジャワ州カラワン県で、月額517万6,179ルピア(約4万5,033円、1ルピア=約0.0087円)となった(添付資料表参照)。前年比で7.88%上昇した。前年の最低賃金が最も高かったのは西ジャワ州ブカシ市だったが(2021年12月9日記事参照)、カラワン県が逆転した。両県には多くの日系企業が集積しており、国内最高水準の最低賃金額とその急速な上昇が大きな経営課題となっている。

今回の県・市別の最低賃金は、2022年11月16日に交付・施行された「2023年の最低賃金に関する労相規定」(2022年第18号)の計算式を基に決定された。2022年までの最低賃金は、企業の負担を軽減し、雇用を生み出すことを目的として2020年11月に施行されたジョコ・ウィドド大統領の肝いりの規制改革である「雇用創出法」(2020年11号)とその細則である政令(2021年第36号)を基にしていたが、その後の経済情勢や労働者などからの反発を受けて、今回の労相規定で最低賃金の計算式を改定した。

最高裁判決で2023年の最低賃金が無効となる可能性も

この状況を受け、インドネシア経営者協会(Apindo)のハリヤディ・スカムダニ会長は「労相規定(2022年第18号)による最低賃金の決定は、会社経営に与える影響が大きく、雇用の終了や削減リスクをもたらす」と評価している(「アンタラ」12月5日)。

今回の最低賃金の決定に先立ち、Apindoなど10団体は2022年11月28日、労相規定が上位規定に違反しているとして、最高裁判所に不服申し立てを行っている(2022年12月1日記事参照)。今後、最高裁の判決で労相規定が無効となり、最低賃金の金額が引き下げられる可能性もある。しかし、この場合、労働者側からの強い反発が予想されるため、2023年の最低賃金をめぐる先行きにはいまだ不透明感が残る。

(八木沼洋文)

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