米商務長官がIPEF閣僚会合をバーチャル形式で開催、次回は2月にインドで交渉官会合

(米国、日本、インド、ニュージーランド、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、フィジー)

ニューヨーク発

2022年12月22日

米国のジーナ・レモンド商務長官は12月20日、インド太平洋経済枠組み(IPEF)の閣僚会合を19日にバーチャル形式で開催したと公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。日本からは林芳正外相と西村康稔経済産業相が参加した(外務省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます経済産業省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

IPEFについては、12月10~15日にオーストラリアのブリスベンで1回目の交渉官会合が開催されたばかり(2022年12月16日記事参照)。今回の閣僚会合では、第1回交渉官会合での進捗を歓迎するとともに、5月の立ち上げ宣言以降続くモメンタムを今後も継続して、可能な限り迅速に交渉を進展させていくという共通のコミットメントを確認した。次回の関連会合については、インドが2023年2月8~11日に特別交渉官会合を主催することが決まった。その際、IPEFがカバーする(1)貿易、(2)サプライチェーン、(3)クリーン経済、(4)公正な経済の4分野のうち、(1)を除く3分野を取り扱う。IPFEに参加する14カ国のうち、13カ国は全4分野への交渉参加を表明しているが、インドのみが貿易分野への参加を見送っている。

米連邦議会からバイデン政権への圧力強まる

IPEF交渉が進むにつれ、米国連邦議会はバイデン政権に対し、議会との連携を重視するよう圧力を強めている。合衆国憲法は、外国との通商を規制し、関税を徴収する権限を連邦議会に与えている。一方、バイデン政権はこれまで、IPEFで関税を交渉項目に含めない方針を示しており、同枠組みで議会の承認は不要との考えを示している。この点、上院で通商を所管する財政委員会の超党派議員団は12月1日、ジョー・バイデン大統領に対し、IPEFの議会承認と実施に関する憲法上の懸念を伝える書簡を送付した(2022年12月5日記事参照)。また、米国通商専門誌「インサイドUSトレード」(12月19日)によると、下院で通商を所管する歳入委員会の民主党議員12人も2日、バイデン大統領宛てに同趣旨の書簡を送付したとされる。米国では通常、貿易協定の批准・発効に当たり、法案と同様、上下両院で当該貿易協定の実施法案を可決する必要がある。その際、政権は通例として、他国と合意した協定内容を議会で修正されないよう、あらかじめ大統領貿易促進権限(TPA、注)を求めてきた。しかし、直近のTPA法は2021年7月に失効しており、バイデン政権はそれ以降、議会に再付与を求めていない(2021年7月2日記事参照)。議会による圧力がさらに強まった場合、政権がどう対応するか注目される。

(注)法律の形式で議会が政権に付与する権限。議会が設定した交渉目標や議会への報告・通知義務などにのっとって合意された貿易協定について、議会は内容を修正せず、実施法案の賛否のみを審議することを可能とする。

(磯部真一)

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