スタートアップに聞く、インドネシアのクラウドサービス市場

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年06月28日

インドネシアでは、「新型コロナ禍」で社会制限が実施されたこともあり、多くの企業でテレワークが採用された。民間企業が実施したアンケートでは、約7割のインドネシア企業が「新型コロナ禍」後も、オフィスへの出勤とテレワークを組み合わせた勤務形態を採用するとしている(「カタダタ」6月24日)。テレワークではデータの共有という観点から、クラウドサービス(注1)の利用が注目されている。

ジェトロは、同国で法人向けにクラウド会計・人事労務などを提供するMekari外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(メカリ)の田中春利氏(Vice President, Corporate Strategy & Development)にヒアリングを行った(6月22日)。なお、クラウド会計ソフト・家計簿アプリなどを提供するマネーフォワード(本社:東京都港区)はメカリの筆頭株主で、田中氏は同社からメカリに出向している(マネーフォワードプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

写真 メカリの田中春利氏(同氏提供)

メカリの田中春利氏(同氏提供)

(問)貴社の概要と事業内容について。

(答)法人のさまざまな業務の自動化・効率化をサポートするクラウドサービスを提供している。具体的には、インドネシア国内の中小企業から大企業まで幅広い法人向けに、クラウド会計・人事労務・顧客情報管理(CRM)などのソフトウエアを提供しており、それぞれで高い市場シェアを誇る。クラウドでのサービス提供により、データ入力の手間が削減できるほか、自宅などさまざまな場所で利用可能となる。また、会計や人事労務など複数分野に対応できるという点が他社との違いとなる。

(問)「新型コロナ禍」の影響について。

(答)在宅勤務が以前よりも一般的となり、インターネット環境があればどこでも利用可能なクラウドサービスへの需要が高まったことは、当社にとって追い風だ。年間経常収益(ARR、注2)は過去4年間で11倍以上拡大し、アクティブ顧客数は3万5,000社以上、利用者数は80万人以上となっている。

(問)市場の展望と貴社の強みについて。

(答)中小企業の多くが労務管理などのバックオフィス業務をエクセルなどで行っているため、当社のサービスを提供できる余地はまだまだ広がっていると感じる。サービス開発・販売だけでなく、顧客サポート体制も積極的に強化しており、解約率を抑えられている点も当社の強みだ。インドネシアではクラウドサービスになじみのない法人も多く存在するため、使いこなしてもらえるよう顧客に丁寧に寄り添うことが重要だ。

クラウドサービスならではの利点として、外部サービスとの連携がある。当社のサービスは、複数の金融機関やフィンテックサービスと連携しており、例えば、人事労務サービスでは、給与計算から支払いまで一気通貫で行うことが可能だ。最近では金融サービス分野にも注力している。

(注1)ソフトウエア開発者が製品をクラウドサーバー上で提供し、ユーザーがインターネット経由で利用できるサービス。

(注2)サブスクリプションサービスなどの提供により得られる経常収益の年換算額。

(上野渉)

(インドネシア)

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