バイデン米大統領、11月から空路の外国籍渡米者に対しワクチン接種完了を義務化

(米国)

ニューヨーク発

2021年09月22日

米国ホワイトハウスによると、ジョー・バイデン米国大統領は9月20日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、11月上旬から、米国に空路で入国する外国籍の成人はワクチン接種完了を義務付けると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

また、現在、国別にかけられている入国規制(2021年5月6日記事参照)については、同時期に解除されると発表した。現在、入国停止措置の対象国であるシェンゲン協定圏内の欧州26カ国、英国、アイルランド、ブラジル、南アフリカ共和国、インドについても、ワクチン接種完了の証明を提示すれば入国が許可されることになる。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、米国籍者であればワクチン接種を完了していなくても米国への入国が認められるが、渡航前1日以内(注)に受けた感染テストの陰性結果と、到着後に使用するための感染テストの購入証明を提示する必要があり、この規制は未成年者も対象になるとした。同氏はまた、入国許可の対象になるワクチンといった、承認過程に関する議論を進めており、11月前に発表される予定だとした。

サキ氏はさらに、米疾病予防管理センター(CDC)が航空会社に対し、米国に入国する搭乗者の包括的な連絡先を収集すること、ならびにCDCの要請に応じて速やかにその情報を提供することを義務付ける指令を出す予定だと述べた。CDCはこの情報を基に、新型コロナウイルスの変異株などの病原体に接触した可能性のある搭乗者を追跡する予定としている。

FDA諮問委員会は16歳以上へのブースター接種に反対

米国食品医薬品局(FDA)への助言を行う諮問委員会は9月17日、16歳以上の米国民に対するブースター(追加)接種の承認に反対することを決めた。一方、65歳以上または重症化リスクが高い人については、2回目の接種から少なくとも6カ月後からのブースター接種を推奨することを発表した。ビベック・マーシー医務総監は同日、FDAとCDCによるブースター接種の評価が終了し次第、その内容に応じたブースター接種の提供計画を定めるとしていた。また、新型コロナウイルス感染対策調整官のジェフ・ザイエンツ氏は、米国人全員がブースター接種を受けられるようなワクチン供給体制を確保していると述べていた。

FDA諮問委員会による助言を踏まえ、FDAは早ければ9月22日にも、ブースター接種の承認の可否を決定するとしている。また、CDCの外部諮問委員会は22日と23日にブースター接種に関する会議を予定している(ブルームバーグ9月21日)。

(注)米メディアの報道では、ワクチン接種完了者も、引き続き渡航前3日以内に感染テストを受ける必要があるとされている。新たな規制の詳細は11月前に発表される見込み。

(吉田奈津絵)

(米国)

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