混雑が続くロサンゼルス港、ジェトロが米国物流セミナーを開催

(米国)

ロサンゼルス発

2021年07月01日

ジェトロは6月24日、第1回米国の最新物流事情セミナー「ロサンゼルス港アップデート」と題したオンラインセミナーを開催した。今回のセミナーでは、ロサンゼルス港の最新状況について、ロサンゼルス港湾局でアシスタントディレクターを務める森本政司氏が解説した。米国の物流事情に関しては国内外で関心が高まっており、250人を超える日本企業関係者がセミナーを視聴した。

「新型コロナウイルス禍」で世界的に電子商取引(EC)の利用が拡大し、こうした需要を背景として、アジアから北米への海上輸送の玄関口である米国西海岸の港湾では、コンテナ取扱量の増加やコンテナ運賃の高騰が続いている(2021年4月8日記事参照)。

ロサンゼルス港では、2021年1~5月のコンテナ取扱量が455万1,445TEU(20フィートコンテナ換算)となり、前年同期(307万413TEU)比で48.2%増となっている。また、2021年5月の取扱量は101万2,048TEUで、前年同月比で74.0%増加した。過去10カ月では、月平均82万TEUを超える大量のコンテナを取り扱っている。

ロサンゼルス港のあるサンペドロ湾では、停泊許可を待つコンテナ船が6月20日時点で14隻と、2月のピーク時の40隻に比べ減少傾向にあるが、依然として25隻程度のコンテナ船が常時、荷さばきのために港に停泊する混雑した状態が続いている。

セミナーでは、港湾混雑の見通しについて多くの質問が寄せられた。森本氏によれば、米国では入学シーズン(9月)やハロウィーン(10月)、感謝祭(11月)、クリスマス(12月)といった一連のイベントに向けて、6月から8月にかけて小売店で在庫の積み増し需要が始まるという。特に、2021年は、これまでの処理しきれていないコンテナが積み上がった状態で港湾の繁忙期に入ることや、コンテナが港を出た後の内陸輸送での混雑が続いていることなどを指摘した上で、2021年中は港湾混雑が続くという見通しを示した。

本セミナーは、こちらのページでオンデマンド配信中。説明資料もダウンロード可能。米国の最新物流事情セミナーはシリーズ開催を予定しており、次回は7月にロングビーチ港の最新状況を解説するセミナーを実施予定。

(永田光)

(米国)

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