米加首脳、両国間の不要不急の渡航を一時制限で合意、貿易は制限せず

(米国、カナダ)

ニューヨーク発

2020年03月19日

トランプ米大統領とトルドー・カナダ首相は3月18日、それぞれ新型コロナウイルスへの対策に関する国内向けの記者会見の中で、今後、米加間での不要不急の渡航を制限すると発表した。措置の詳細は今後、両国政府から発表される見通し。

トランプ大統領とペンス副大統領は、記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、両国間において必要不可欠ではない渡航は今後制限するが、必要不可欠な渡航や、モノの往来についてはこれまでどおり維持されると述べた。

トルドー首相も同日会見を行い、トランプ大統領と協議し、必要不可欠な渡航と交易を除く米国との国境封鎖について合意したと発表した。首相は、旅行者が娯楽や観光目的で国境を超えることは禁止されるが、トラック輸送などを含むサプライチェーンは影響を受けないと語った。また、必要不可欠な業務のため国境を越える必要のある米・カナダ国民の移動は制限しないとした。

渡航制限の開始日時や、具体的に制限対象となる渡航の種類などについての言及は両政府からなく、米国側については今後、国土安全保障省が詳細を発表する。なお、記者からの質問に対し、トランプ大統領は、必要不可欠な渡航には医療、軍、産業関係が含まれ得るとし、期間については30日間を目安にすると発言した。また、カナダのフリーランド副首相は、国境閉鎖は「数時間か数日内に」実施されると発言している(CBCニュース3月18日)。

カナダ商工会議所は、トルドー首相の発表に対し声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「カナダにとって米国は最重要の貿易相手国」であり、国境制限を受け両国間のモノやサービスの流通が今後制限されることになった場合、経済への影響が甚大であるとの認識を示した。また、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えることが不可欠であるとの理解を示しつつ、具体的に制限対象となる渡航の種類など詳細なガイダンスを迅速に公表するように求め、「カナダ商工会議所は政府と密接に協力して輸送、観光、およびその他のセクターへの影響が緩和されるよう努力する」と表明している。

(磯部真一、飯田洋子)

(米国、カナダ)

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